初心者がNFTにチャレンジする際、最初に気になるのはNFTを発行する方法ではないでしょうか。
一見すると専門知識やITスキルが必要な印象もあることから、実際に取り組む前から苦手意識を持ってしまうケースも少なくありません。
そこで今回は、NFTマーケットプレイスを利用するパターンやガス代の発生しない方法についてを解説していきますので、是非参考にして下さい。
NFTの発行とは?
ここではまずNFTを発行する上で必要な基本知識を解説していきますので、仮想通貨との違いや、どういった仕組みで構築されているかが分からない方は是非参考にして下さい。
仮想通貨とは異なるトークン
NFT(Non-Fungible-Token)は代替不可能なトークンという意味であり、所有者や発行日等の識別子が付与された、この世に1つだけのトークンです。
対して、代替可能なトークン(Fungible-Token)に分類されている仮想通貨は、日本円と同じように誰が持っていても価値が変わらないため、同じ種類であれば交換(代替)できるトークンとなります。
したがって、両者は一見とても似ているようにも思えますが、実際の性質や用途が大きく異なるという認識を持ちましょう。ちなみに企業の資金調達等、限定的な用途で発行する仮想通貨もトークンと呼ぶため、柔軟に捉え方を変えて下さい。
ブロックチェーン上に構築される
NFTはブロックチェーン上で構築されるものであり、現在最も利用されているのはイーサリアムのプラットフォームとなります。
その理由は、イーサリアムで発行できるERC(Ethereum Request for Comments)というトークンにデジタルコンテンツを別の形式に置換して、取引を容易にする機能が搭載されているからであり、その中のERC-721、ERC-1155という種類が現在市場で認知されているNFTの機能を持った規格です。
一方、現在はエンジンコインやFlowもNFT発行機能を持ったブロックチェーンとして需要が高まりつつあるため、今後の動向次第ではイーサリアムに代わる新たなメインが誕生するかもしれません。
マーケットプレイスで発行する方法
次は、実際にマーケットプレイスでNFTを発行する方法をOpenseaを例に見ていきましょう。
難しいイメージを持ってしまう方も少なくありませんが、手順を押さえれば誰でも自身のデジタルコンテンツをNFTに換えることができます。

まずはNFTマーケットプレイスを利用するために必要なオンラインウォレットを入手しましょう。
今回は市場でも利用率の高いMETAMASKを例にしており、サイトにアクセスすると上画像の通りGooglechromeやiOS、Androidといった利用環境を選ぶよう指示が表示されます。

次に、右側のウォレットの作成を選んでメールアドレス等の情報を登録すればオンラインウォレットのインストール作業は完了です。

ここまでは慣れていない方でも10分程度で完了するでしょう。そして次はOpenseaの公式サイトにアクセスしていきます。

トップ画面が表示されたら、右上の人型アイコンをクリックして、オンラインウォレットと紐づけて下さい。

この画面でサインインすれば、Openseaが利用できるようになります。
次にNFTを発行するためのクリエイターアカウントを作成する必要があるため、先ほどのトップ画面の「作成」というボタンをクリックして下さい。

この画面が表示されたら、屋号や説明文、NFTのカテゴリーを入力していきます。
OpenseaではNFTを発行するためにクリエイターのアカウントを作る必要があるため、こういった情報を入れる必要があります。

最後に赤丸の「Create」をクリックすればアカウント作成は完了です。
その後、自身のデジタルコンテンツをOpenseaに登録すれば簡単にNFTを発行することができます。
もしイメージが掴めなければ、NFTを発行するというより、パソコンやスマホに格納されている写真やイラストをNFTに置き換える、という認識の方が覚えやすくおすすめです。
なぜオンラインウォレットが必要なのか
オンラインウォレットは、ブロックチェーン上に存在する仮想通貨やNFTを格納し、通常のウェブブラウザ上で管理するために必要となります。また、ブロックチェーンで有効な自身のアドレス(ウォレットのアカウント)にもなるため、Openseaを始めとするマーケットプレイスを利用する際は必要不可欠といえるでしょう。
ガス代に注意
イーサリアムブロックチェーン上の取引が成立するためには、取引記録を暗号化して新たなブロックを生成し、前回のブロックとつなぎ合わせるマイニングという作業が必要となります。そして、その作業者をマイナーと呼んでおり、NFT発行や売買を処理してもらうためにガス代(ガスリミット)という手数料を支払うのが基本です。
そして、マイナーは自身にとっての報酬でもあるガス代が高く設定されている取引を率先して処理するため(業界のルールでそうなっています)需要の拡大によって全体の取引量が増えている現在は、早く取引を処理してほしいユーザーがこぞって高額のガス代を設定しています。
ちなみに、市場参加者が特に多い週末等は5,000円程度にもなることがあり、、NFT市場では改善すべき問題として提唱されています。
ガス代無料で発行する方法
先ほど解説した通り、NFT取引におけるガス代は以前よりも高騰しており、当然ユーザーにとっては削減すべきコストといえるでしょう。
そこでここからは、昨今提唱されている高騰問題のソリューションともいえる、ガス代無料でNFTを発行する方法を解説していきます。
NFT Studio

NFT Studioは日本最大級のブロックチェーンゲームの開発でも知られるCrypto games社が運営するNFTマーケットプレイスであり、従来とは異なる取引処理スキームを実装したpolygonというブロックチェーンを採用してガス代の無料化を実現しました。
また、クレジットカード決済を国内で初めて導入したことでも話題となっており、購入者とクリエイター双方に利便性の高い仕様となっています。
S!NG(シング)

アーティストの支援を目的にリリースされたスマホアプリのS!NGは、ユーザーがアップロードしたファイルをブロックチェーン上でNFT化するプラットフォームです。
インストールから利用まで全てが無料となっており、ファイルを暗号化してサーバーに保管することで、知的財産の盗難や流出といった様々なリスクが軽減されるでしょう。
ヌフヌフヌフター(nfnfNFTer)
ヌフヌフヌフターは完全無料でNFTを発行できるウェブサイトであり、3クリック程度の簡単作業で誰でも利用することが可能です。
一方、METAMASKが必要であることから、Googlechromeにしか対応していない点には注意が必要であり、現在はまだ詳細なコントラクトコードの設定もできないため、今後の更なる改善が期待されています。
まとめ
今回はNFTの発行方法やオンラインウォレット、ガス代についても解説してきました。
仮想通貨と異なる性質を持ったNFTは、ブロックチェーン上に構築されるトークンの一種であり、基本的にマーケットプレイスで発行する際はオンラインウォレットの入手やガス代を支払う必要があることから、手順が煩雑なイメージばかりが先行してチャレンジできていない方も少なくないでしょう。
そういった場合、S!NGやヌフヌフヌフターであればコストを抑えつつ手早くNFTを発行することができ、販売に興味があればNFT Studioを活用するのもおすすめです。
現在NFTを検討している方はまず簡単な方法から試してみて、少しずつ慣れていくことから始めましょう。