デジタルコンテンツにおけるNFTの有用性は既に市場でも広く認知されており、アートや音楽はもちろん知的財産等の様々なジャンルで変革を起こしています。
一方、一見すると関係性が見出しにくいSNSの代表格であるTwitterも、NFTの登場によって新たなフェーズに移行し始めていることをご存じでしょうか。
本記事ではNFTによって拡大するTwitterのサービスやツイートの販売についてを解説していきます。
NFT市場ではツイートが資産になる
NFTアイテムといえば、アートや動画、音楽作品のイメージが強く、Twitterとの関連性はあまりないようにも思えるでしょう。
しかし、NFTを活用すればユーザーの投稿であるツイートを資産化することが可能であり、これまでの市場においては数億円という規模で取引された実績もあります。
そこでまずは、NFT化に関する基本知識やツイートに特化したマーケットプレイスについて見ていきましょう。
ツイートのNFT化とは!?
ツイートのNFT化とは投稿画面のスクリーンショットを撮るのではなく、そのツイートの所有権を売買するといったものであり、購入するとブロックチェーン上に所有者情報が永続的に記録され、実質的な取扱い権限を与えられることになります。
一方、販売者はTwitterで引き続き閲覧することが可能であり、アカウントから消去されるわけでもないため、表面上大きな変化が起こることはありません。
したがって、現代においては「所有」という本質的な部分にこそ価値が見出されており、ツイートというユニークな資産においても例外ではないといえるでしょう。
Twitter創業者のツイートが約3億円で落札
Twitter創業者であるJack Dorsey氏は、NFTマーケットプレイスにて自身の初ツイートである「just setting up my twttr」をNFT化してオークション形式で出品しました。
just setting up my twttr
— jack (@jack) March 21, 2006
そして、希少性を感じた多くの参加者によって価格は爆発的に伸び続け、結果的に約3億円という値で落札されたことでNFT業界外の多くのメディアから注目されることとなり、今もなお経済市場のビッグイベントとして話題に挙がっています。
ツイート特化のマーケットプレイス「Valuables」

Twitter社と連携したサービスを展開している「Valuables」は、NFTマーケットプレイスであるCentによって運営されており、先ほど解説したJack Dorsey氏のツイートが販売されたことで大きな注目を集めました。
Valuablesはメタマスク等のオンラインウォレットに加えて、Twitterアカウントを紐づけるだけで誰でも利用することが可能となっており、発生するコストは基本的に販売価格5%分の手数料のみとなります。
また、ソフトバンク社の孫正義氏といった著名人がツイートを出品していることも話題となり、今後も更に認知度の拡大が期待できるサービスといえるでしょう。
ちなみに現在はシンプルな文章だけでなく、写真やアートといった様々なバリエーションが出品されていることから、ツイートに掲載できるコンテンツであればどういった内容でも資産に変えられる汎用性の高さも魅力の1つとなっています。
TwitterにおけるNFTサービス
ここからは、Twitterからの視点でNFTを利用した新サービスを見ていきましょう。
世界最大規模のSNSで拡散されるということはそれだけシェアが大きくなっている表れでもあるため、現在のトレンドを掴んで効果的な市場分析に役立てて下さい。
Twitter限定NFTアイテムを140個無料配布
2021年6月、Twitter社は独自のNFTアイテムを7種類製作して「140free NFTs for 140 of you,besties」という公式アカウントのツイートにリプライ(返信)した応募者に対して、抽選で140個を限定配布しました。
ちなみに日本人ユーザーに対して割り当てられた20個のNFTは創業者の初ツイートが表示された卵を模したアイテムであり、手に入れた後は非営利目的に限り第三者への販売が認められています。
また、この取り組みはTwitter上でもNFTの話題が増加傾向にあることがきっかけとなっており、希少性の高さから今後の新たなNFTアイテムのリリースに注目が集まっています。
First Born
Check in on your Tweets. pic.twitter.com/qrKHOeVxtU
— Twitter (@Twitter) June 30, 2021
ハッシュタグとNFTを連携させたキャンペーン
主要仮想通貨取引所の1つに数えられるCoincheck社は、NFTの認知度向上を目指したプロジェクトとして「人類が初めて火星に到達した際の足跡がNFTになった場合、いくらの値段をつけるか」というキャンペーンをTwitterを通して実施しました。
公式アカウントをフォローして「Howmuch_NFT」のハッシュタグをつけてリプライするだけで参加することができる手軽さと、NFT特有の独創的なテーマ、Twitterが持つ高い拡散性の相乗効果によってより広い層からの注目を集めています。
まとめ
今回はツイートのNFT化やTwitterを活用したキャンペーンについて解説してきました。
一見すると関係性の見出せない両者ですが、現在の市場ではツイートの販売に特化したマーケットプレイスや限定NFTのリリース等、それぞれの特性を活かした取り組みが多くなっています。