NFTはデジタルコンテンツを資産化できる革新的な技術でもありますが、服や靴といった物体を伴うファッション業界においても活用されていることはあまり知られておらず、特に初心者はその関連性がイメージできないことから、投資対象から除外してしまうということもあるでしょう。
そこで今回は、NFTファッションの代表的な1つであるバーチャルスニーカーについて解説していきますので、今後の運用の参考にして下さい。
バーチャルスニーカーとは!?
一般的層にはまだ認知度が低いこともあるバーチャルスニーカーですが、これは鑑賞、又は画像に合成することで仮想的に着用することのできるスニーカーのデータであり、インフルエンサーやコレクター、投資家の間では大きな需要が生まれています。
もちろんNFTベースであれば偽造や改ざんはほぼ不可能、世界で所有しているのは1人だけという希少性も相まって、ファッション業界に新たなトレンドを巻き起こしている主要コンテンツに数えられています。
バーチャルスニーカーに見出される価値
馴染みのない方にとっては「なぜお金をかけてまでスニーカーのデータを手に入れるのか」という疑問を抱くかもしれませんが、実は次に解説する通り現代の市場において確かな価値を確立しているのです。
コレクタブルアイテムの本質は使用よりも所有にある
一般的に「靴は履く物」というロジックが根付いているのは当然ですが、コレクターにとってレアスニーカ―は「履かずに所有して飾ること」の方が重視される傾向であり、そういった観点でいえばデータという形が価値の本質を変える理由にはなりにくいといえるでしょう。
また、通常の靴では所有し続けるだけで経年劣化するリスクも考慮しなくてはならない一方、NFTには劣化という概念自体が存在しませんので、コレクタブルアイテムとしても魅力的な要素を持っています。
物体よりも安全性が高い
物体として存在する限り、スーパーコピー等の精巧なフェイクが造られる可能性を根絶することはできませんが、ブロックチェーン技術を駆使したNFTであれば偽造されるリスクを解消することができるでしょう。
また、更に注目したいのは盗難に対する安全性です。
実は強烈なスニーカーブームは今に始まったことではなく、90年代中頃に発売されたナイキ社のエアマックス95においては、履いている人物を襲撃、暴行した後に奪い去る「エアマックス狩り」という事件が頻発していました。
これは当時プレミア価格がついていたスニーカーが引き起こした社会問題でしたが、バーチャルスニーカーに関しては当然こういった事象を考慮する必要自体がなく、実害リスクにおいても抑えることのできる資産となっています。
現実空間で履くことが重視されない時代に
先ほど解説した通り、バーチャルスニーカーは自身が写っている画像に合成することで実際に履いているように演出することができ、外出時に履いて見せることよりもInstagramに投稿して披露することに意義が見出されています。
したがって、現在巻き起こっているムーブメントのベースには、SNSが急速に発達している現代マーケット需要も深く関係しているのです。
日本初のバーチャルスニーカー
日本初のバーチャルスニーカーは2021年4月に1SEC社が運営しているデジタルファッションレーベル「1Block」がリリースしたAIR SMOKE1(™)であり、主要NFTマーケットプレイスのOpenseaとRaribleで販売されました。
ちなみに単価は約140万円とコレクタブルアイテム相応の高額商品でしたが、発売開始からわずか9分で完売しています。
購入できるマーケットプレイスは!?
ここまで解説した通り、バーチャルスニーカーはNFTアイテムとして確かな需要を確立していますので、投資初心者としても購入を検討したいところでしょう。
しかし、現在新規リリース情報は確認されておらず、コレクターによる転売を除いて在庫販売しているマーケットプレイスもありませんので、実績のあるOpenseaやRarible等を中心に動向をチェックしておくのがおすすめです。
NFT×ファッションの可能性は今後も拡大
唯一性を付与できるNFTと希少性が求められるファッションは大変相性が良く、既に確立されている以下のバーチャルファッション市場でNFTが採用される可能性も高まっています。もし今後新たな動きがあれば当然有効な投資対象にもなりますので、しっかり押さえておきましょう。
SNSでトレンド化「デジタルドレス」
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現在の市場では現実空間ではなく、画像の中の自分自身を煌びやかなデジタルドレスに着せ替え、Instagram等のSNSに投稿して話題性を狙う手法が人気となっています。
また、一定以上のフォロワーを獲得しているインフルエンサーはPR等も兼ねればそのまま収益に結びつけることも可能であり、今後NFTベースのアイテムが拡大すれば単なるファッション目的だけでなく、資産価値の高いコレクタブルアイテムに昇華する期待も持てるでしょう。
アバターの着せ替えが話題に
バーチャルファッションは画像だけでなく、仮想空間の自分自身である通称:アバターの着せ替え用データにも活用されています。当然こちらもNFT化することは可能であり、レアアイテム等のレーティングがされれば資産価値の見込めるコンテンツに成長するでしょう。
まとめ
今回は日本でも注目を集めているNFTのバーチャルスニーカーについて解説してきました。
身につける物としてのイメージが強いファッションは、一見するとNFTとの関連性が薄いようにも感じられますが、希少性によって価値が高まるコレクタブルアイテムの観点においては大変相性が良く、今後はスニーカーから更に拡大していくことが予想されています。
多くの投資における共通の成功要素は需要を先取りした先見性でもありますので、本記事を参考に今後のリリース情報をしっかりチェックしていきましょう。