仮想通貨は、個人投資家だけでなく企業からも熱い注目を集めています。実際に、世界的な大企業であるマイクロソフトがエンジンコインという仮想通貨に注目していることも事実です。
では、マイクロソフトはなぜエンジンコインに注目しているのでしょうか?この記事では、マイクロソフトがエンジンコインに注目している理由や事例などについて詳しく見ていきましょう。
エンジンコインにマイクロソフト社が注目する理由
マイクロソフトがエンジンコインに注目しているのには、明確な理由があります。仮想通貨が企業側からも投機対象として注目されているだけでなく、エンジンコインがマイクロソフトと相性が良いために注目しているのです。
具体的には、次のような点が理由となってマイクロソフトがエンジンコインに注目しています。
- エンジンコインの将来性が高い
- 他の大手企業も提携している実績がある
- ゲームでも利用できる
ここでは、注目されているそれぞれの理由について、より詳しく解説します。
将来性が高い
エンジンコインが日本の取引所で上場し始めたのは、2021年に入ってからであり、まだまだ歴史が浅い仮想通貨です。ただ、実際にエンジンコインは2017年に誕生しています。
さらに、プラットフォームであるEnjinは2009年から稼働しており、世界中に2,000万人以上のユーザーを抱えているのです。よって、すでに実績十分の仮想通貨と言えます。
また、ブロックチェーンゲームとしての側面もあり、NFTとの連携が可能であることから将来性も高い仮想通貨です。
他の大手企業も提携している
エンジンコインに注目しているのは、マイクロソフトだけではありません。他にも、韓国の大手メーカーであるサムスン電子もエンジンコインと提携を実現しているのです。サムスン電子では、人気スマートフォンシリーズであるGalaxyに搭載のブロックチェーンウォレットであるキーストアに、エンジンコインが活用されました。
これにより、サムスンのアプリケーションストアであるGalaxy Storeなどで、エンジンコインが使用可能となっています。これは、世界的な企業で利用できる仮想通貨となったことで、注目を集めて価値が急上昇した形です。
他にも、日本のエイベックス・テクノロジーズとも提携し、デジタルコンテンツとNFTを結びつける取り組みが行われようとしています。
ゲームで利用できる
エンジンコインは、先に紹介したとおりゲームと切っても切り離せない関係となっています。エンジンコインにおいて、メルトという機能が実装されており、Enjin Platform内において発行され、不必要になったNFTがエンジンコインに変換されます。
Enjin Platformとはオンランゲームをするためのプラットフォームのことで、35種類以上のオンラインゲームで利用するNFTを発行することを目的として連携されているのです。
オンラインゲームでは、ユーザー間でアイテムの売買が頻繁に行われていますが、それぞれが共有の通貨を使用する必要があります。そこで、Enjinが仲介役となりゲーム間でアイテムの売買が可能となります。
マイクロソフト社の「マインクラフト」とエンジンコインの提携
マイクロソフトが開発しているゲームの中で、最も有名なゲームがマインクラフトです。マインクラフトは、単なるテレビゲームと違って知的要素が高く、幅広い年代に愛されています。そのマインクラフトにおいて有効活用されているのがエンジンコインです。
では、具体的にどのようにエンジンコインが活用されているのか詳しく見ていきましょう。
国際宇宙ステーションが舞台
マインクラフトとは、3Dブロックで構成された仮想空間において、ものづくりや冒険が楽しめるゲームです。仮想空間において、草原や湿地、砂漠、雪原など多様な地形が存在し、プレイヤーは木や岩などのブロックを集めて道具や建物を作ることが可能です。
そのマインクラフトにて、NFTを獲得できるブラウザゲーム「アジュール・スペース・ミステリー」が2021年2月にリリースされました。
アジュール・スペース・ミステリーは、科学における女性と女児の国際デーを記念したゲームであり、プレイヤーは国際宇宙ステーションを救うミッションを行います。ゲームを進めることで獲得したNFTによって、MyMetaverseMinecraft Networkの続編クエストにアクセスできる権利を得ることができるのです。
このしくみにおいて、エンジンコインのプラグインであるEnjinCraftが活用されています。
NFTの配布
アジュール・スペース・ミステリーでは、ゲームをクリアするとEnjin BeamのQRコードを入手できます。このコードをスキャンすることで、限定版の学習者NFTが、プレイヤーのウォレットに配信される仕組みとなっています。学習者NFTに供給量の上限はなく、イベントで受領したトークンは限定カスタムアートが含まれているのです。
また、マインクラフトと連携しており、MyMetaverse Minecraft Networkの続編クエストにアクセスすることもできます。
同時に、Azure Heroesのキャラクターをマインクラフトのゲーム内で召喚できるなど、NFTだけでなく単純にゲームが好きな方にも評価されるイベントであることが特徴です。
エンジンコインの将来性と課題について
エンジンコインは、将来性があると解説しましたが、一方で課題も少なからず存在します。ここでは、将来性がある理由と同時に、エンジンコインの課題について解説します。
取引可能な取引所の拡大
エンジンコインは、世界的な企業と連携することによって、知名度を高めました。日本では、2021年1月にコインチェックで上場し、2021年3月3日にはGMOコインでの取り扱いもスタートするなど、着実に取引可能な取引所が拡大しています。
さらに、2021年1月あたりから急激的に価格が上昇していますが、これはアメリカ最大手の暗号資産取引所である、コインベースへの上場が強く影響した形です。今後も、エンジンコインを取り扱う取引所が増加する見込みであり、将来性は高いと言えます。
人気ゲームとの提携
エンジンコインはより多くの人気ゲームにおいて、採用されるケースが増加中です。先に紹介したマインクラフト以外で、マルチバースに対応した主なゲームだけでも以下のタイトルが挙げられます。
- 9Live Arena
- Age of Rust
- AlterVerse
- BitcoinHODLer
- Cats In Mechs
- Rebounce
ただ、現時点ではマインクラフト級の全世界的な人気を誇るオンラインゲームでの導入実績が少ないのが実情です。よって、今後どのようなゲームで採用されるかによってエンジンコインの将来がかかっていると言っても過言ではありません。
ゲーム以外の利用使途の増加
エンジンコインは、ゲームだけでなくさまざまな用途で使用できるように裾野を広げつつあります。代表的な例として、Galaxy S10で仮想通貨ウォレットが内蔵されていることで、決済でも利用が可能です。
ただ、現状ではゲームにおいて使用することがメインの仮想通貨に過ぎません。より幅広く普及するためには、Galaxy S10の例であったり日本ではエイベックスと提携していることから、音楽コンテンツの決済などに利用できるようになることが望まれます。
NFT業界との連携
Enjinでは、NFTゲームで遊べるプラットフォームとなっていて、2,000万人以上のユーザーを抱えています。ただ、従来のコンシューマーゲームやスマートフォン向けゲームと比較した場合、まだまだ市場規模が小さいのが実情です。
また、NFT市場全体を見回しても、アート分野と比較してゲーム分野は市場規模が大きく劣ります。よりNFT業界とタッグを組み、知名度を上げることで必然的にエンジンコインの価値が高まることが期待されています。
NFT市場の拡大に伴う事業展開
Enjinは、ポルカドットを使用したNFT専用のブロックチェーンを開発するために、2021年に入り開発資金として1,890万ドルを調達しています。これに伴い、2021年4月1日にはゲームアプリの開発者や企業、クリエイター等が利用可能となる次世代型NFTブロックチェーンとして、Efinityを発表したのです。
今回の資金調達の背景には、Crypto.com CapitalやDFGグループ、Hashedが主導してHashKeyやDeFi Allianceなどが参画しています。Enjinは、ポルカドットを活用して誰でもNFTの経済圏に参加できるプラットフォームの開発を進めており、NFT市場の拡大に伴う事業展開が期待されているのです。
Enjin Platformの利用者の拡大
Enjin Platformの最大の魅力は、異なるゲームをプレイしている場合であっても、プレイヤー同士がエンジンコインでアイテムの売買が可能になる点です。また、あるゲームで購入したアイテムを、別のゲームにおいても利用ができるのです。
さらに、アイテムが不要になった場合であっても、アイテムをメルトすることにより、再び仮想通貨に戻すことができるのです。
この利便性の高さから、Enjin Platformは急速にゲーマーの人気を獲得しています。
今後も、仮想通貨を用いたオンラインゲームが増えていく見込みの中で、Enjin Platformの存在がエンジンコインの価値を高めると考えられるでしょう。
ブロックチェーンゲームのプレイヤーの増加
ブロックチェーンゲームは、まだシェアが低いと説明しましたが、着実にプレイヤーが増加中です。人気ブロックチェーンゲームも登場しており、世界No.1を記録したNFTを活用しているブロックチェーンゲームであるMy Crypto Heroesなどが、日本市場でも人気を集めつつあります。
また、月間250億円を売り上げるゲームが登場するなど、ブロックチェーンゲームはNFTアートを上回る市場ポテンシャルがあると言われています。ブロックチェーンゲームは、単なるオンラインゲームと違って、トレーディングカードなどの世界で見られる、取引の面白さをゲーム内でリアルに味わえる点が魅力です。
そして、ブロックチェーンゲームが注目されると、それに比例してNFTの価値が高まるという連動性も注目されている理由のひとつです。以上より、単純にゲームを楽しみたい方だけでなく、NFTに注目しているプレイヤーも増加しています。
まとめ
エンジンコインは、マイクロソフトとタッグを組んだことで注目を高めました。また、大人気ゲームであるマインクラフトがエンジンコインと切っても切れない関係となっているのです。
さらに、Enjin PlatformでNFTも発行されているなど、今後トレンドとなる可能性が高いブロックチェーンゲームにおいても欠かせない存在です。日本でも取引可能となったエンジンコインに、今後も注目していきましょう。